元店員の立場から見て、ドコモが発表したahamoの2,980円は確かに魅力的に映ります。
1回5分の通話無料も付いていますし、自宅にWi-Fi環境のあるユーザーであれば、よほど動画を外で見ない限り20GBもあれば十分でしょう。
このahamoの料金設定は、楽天モバイルの2,980円を相当意識した価格設定となっています。
カケホーダイではなく1回5分まで無料、データ無制限ではなく20GBと言う制限はありますが、なによりドコモのエリアが使えるのであれば、1年間の無料期間終了後に楽天からドコモに乗り換えようと考えている人もいるはずです。
今までのドコモは、こういう料金の値下げは後手に回っていたイメージがありましたが、今回のahamoに関してはかなり攻めてきた印象を受けます。
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auの発表したプランは期待外れだった
ドコモがahamoを発表した後に、auが新プランを発表すると情報があった時は、ドコモのahamoに対抗した新プランを発表するのでは?と予想されていました。
しかし実際に発表された新プランは、ドコモのahamoに比べると全く勝負になっておらず、auユーザーからは期待外れと言う声や失望の声があがり、「さよなら au」がツイッターのトレンド入りしていました。
auの新プランでは、その後に発表したソフトバンクのプランとも対抗できないので、結局また見直しとなるのでしょう。
ソフトバンクはドコモのahamoに対抗したプランを発表しましたが、auはいまだに対抗プランが発表されていないので、意思決定の判断が遅い会社だとも思いました。※2020年12月24日時点
ソフトバンクはLINEモバイルで対抗プランを発表した
auとは違いソフトバンクは、ドコモのahamoのプランに対抗したプランを12/22に発表しました。
メインブランドではなく「SoftBank ON LINE」と言うサブブランドでの取り扱いでしたが、今までMVNOだったLINEモバイルが、このプランからはMNOになることによって、弱点だった混雑時の速度低下が、ソフトバンク利用者と同等の品質に変わります。
ソフトバンクがいち早くahamoの対抗プランを出してきたように、このドコモの新プランahamoは、内容だけ見れば確かに安くていいように見ることができます。
しかし私は携帯の販売員だった経験があるので、販売員から見ればこのプランの印象は少し変わってきます。
実際現役で働いているドコモショップ店員から見れば、この新プラン「ahamo」に関してはどう思うのでしょうか?
ドコモショップは慈善事業ではない
今回のahamoの料金プランは、auやソフトバンクのサブブランドで提供と言うスタイルではなく、メインブランドの中で提供しています。
しかし申し込み経路がドコモショップやコールセンターでは受付不可で、申し込み込み経路はオンライン限定となっています。
携帯会社で最も多くの契約者数があり、ドコモと言う強力なブランドで顧客を守ってきた会社としては、このオンラインのみでの受付に限定という選択は、かなり思い切った決断だと言えるでしょう。
つまりahamoに申し込みたい場合、ドコモショップに行ってもお店では受付できません。
つまりドコモショップに勤めている人からすれば、ahamoの問い合わせがあって丁寧に対応したとしても、1円たりとも自分たちの利益にならない可能性があります。
もしahamoに関する内容で、ドコモが代理店に払うインセンティブが何もないのであれば、少なくとも私が店員であればahamoを積極的に提案するメリットは何もないでしょう。
働いている人たちの収入にならないなら、提案してくれない可能性もある
インセンティブと言うのは、わかりやすく言えばショップで働いている人の収入源です。
例えば有料オプションの加入。
携帯を購入するときに、このオプションに〇カ月だけ付けてくださいと言った案内を受けたことがあると思いますが、実はこれもインセンティブが絡んできます。
細かなルールは代理店経営者しかわかりませんが、基本的にはオプションの添付率や申し込んだ人数で、ドコモから代理店に支払われる金額が変わります。
そのインセンティブのお金で、ショップの人たちは給料を貰っています。
つまりahamoの対応で、このインセンティブが代理店に入らなければ、ショップのスタッフがやっていることは、タダ働きと同じことになります。
ahamoを希望するお客さんに対して、ahamoでは自分たちの利益にならないから、現状のプランで引き留めるように。
このような指示をスタッフする行為は、今の時代かなりリスクの高い行為ですが、万が一そういった指示が上司から来ると。立場の弱いスタッフ側からは、本当のことが言えなくなってしまう可能性があります。
ちなみに私の販売員だったころはMNP第一主義だったので、MNPで売りたい売れ筋のiPhoneに関しては、機種変更希望のお客様には在庫無いと伝えるようにと、当時の上司から指示を受けたこともありました。
そういった指示は、自分の仕事にやりがいを持っていたスタッフにとっては、お客さんに対して嘘の案内をすることになるので、この対応はきっとストレスが溜まることでしょう。
ドコモショップの販売員は、ドコモの正社員ではない
結構勘違いしている方も多いのですが、ドコモショップの店員はドコモ直属の正社員ではありません。
トヨタの車を販売しているけど、トヨタ直属の正社員ではないのと同じです。
ドコモショップに勤めている人は、基本的には携帯販売代理店と呼ばれる会社に所属している正社員or契約社員か、もしくは派遣社員となっています。
- ティーガイア
- コネクシオ
- ベルパーク
- アルファグループ
- MXモバイリング
※携帯販売代理店の一部
私が現役で働いていたころは、テレパークやパナソニックテレコムと言った名前の代理店もあったのですが、昔のように携帯が売れ続ける時代はもう終わったので、今後は徐々に携帯販売代理店も淘汰されていくでしょう。
以前ドコモの研修を受けた時に、先生の口から過去にものすごく優秀だったショップスタッフの人が、ドコモ直属の正社員になった人がいるとは聞いたことがありますが、実際に自分の目でドコモの正社員になった人は見たことはありません。
逆にauとソフトバンクに関しては、契約社員から直属の正社員試験に合格した人は、何人か知っています。
ドコモ直属の正社員になる選択肢が当時は無かったため、ドコモの販売員で働いていたが、auやソフトバンク直属の正社員になるために、転職してきたと言う方も何人かいました。※地域限定正社員の人も含みます
しかし今は法律で携帯の割引は2万円までと上限が設けられ、新しいプランは店頭ではなくオンラインのみの受付と、携帯の販売員の立場としては厳しい逆風が吹いています。
そんな状況下でドコモショップのスタッフが、オンラインのみの受付しかしていないahamoを提案するのか?と言われれば、インセンティブの見直しが無い限り、お客さんに丁寧に説明するメリットが、販売員側には無いと私は思います。
タブレットやシェアプランを利用している人は注意が必要
ドコモの発表した新料金プランは、今までのドコモのプラン変更とは違い、ドコモのメールアドレスが使えなくなったり、現状の家族割引やシェアプランと言ったサービスは、ahamoでは適用できず対象外となっています。
ahamoのプランでは、当初家族割に関しては加入不可でしたが、その後家族割に加入できるように変更となりました。
ただし、みんなドコモ割のカウント対象にはなりますが、家族間の24時間通話無料の特典は適用されません。
ドコモでは一時期タブレットの販売に力を入れていました。
タダで持てるからと言ってタブレットを契約している方も多いと思いますが、新プランのahamoはあくまでも1台のみを想定したプランです。
タブレットを持っていると安くなるとか、そういったプランではありません。
そのためタブレットやシェアプランで安く利用している人は、ahamoに変えてしまうと逆に料金が割高になる可能性もあります。
自分自身で料金の見直しできる人であれば良いのですが、携帯のプランはかなりややこしいので、複数台所有している人は家族含めた全回線の見直しが必要となります。
apple watchが、ahamoに対応するかは現状不明
またAppleのiPhoneユーザーの場合、Apple Watchを利用している人もいると思います。
セルラー版を利用している人は、このahamoでも利用できるのか?は現状詳細が決まっていません。
ちなみに現状サブブランドでは、AppleWatch向けの料金サービスを提供している会社が存在しないため、今のプランとの差別化を図るために、ahamoではApple Watchが非対応になる可能性もあります。
2021年3月までには詳細が発表されると思いますが、Apple Watchのセルラー版を持っている人は、その情報がわかるまでは様子見でよいでしょう。
ahamoはメインブランドの位置づけだが、現在利用しているプランによっては注意が必要
元々ドコモがタブレットに力を入れていたのは、他社への乗り換えを阻止する目的で力を入れていたのだと思いますが、皮肉にもそのことがahamoへの乗り換えを躊躇する一つの要因となっています。
ドコモは他社とは違って、家族のシェアプランをメインにしていた時代があったので、このシェアプランを利用している人は、全員分の見直しをしたうえでahomoにするかどうか決めないと、ahomoに変えてしまうとかえって割高になってしまうリスクがあります。
Apple Watchに関しては、まだahamoに対応するかは正式に発表されていません。
既に事前申し込みも始まっていますが、今回はオンライン限定と言うプランのため、ドコモショップの店員に相談してから決めるというのが、そのプランの特性上難しくなっています。
オンラインに特化したという仕様上、自分自身で料金の見直しができないのであれば、もう少し正式な情報が公開されるまで待った方が良いでしょう。
どうしてもオンラインに抵抗がある方は、UQモバイルやワイモバイルを候補に
どうしてもオンラインでの申し込みに抵抗があるという人は、ドコモで選ぶのではなく、auとソフトバンクのサブブランドである、UQモバイルやワイモバイルに乗り換える方法もあります。
UQモバイルはまだごく一部のauショップのみでの受付ですが、ワイモバイルであれば、全国1,000店舗以上のソフトバンクショップで、ワイモバイルの店頭受付ができるようになっています。
また一部家電量販店では、こういったサブブランドを案内できるスタッフが在籍している店舗もあるので、オンラインだけではなく店頭受付ができるのが強みとなっています。
月々の使用量が3GB未満の方であれば、ドコモのahamoよりも割安なプランが選択できるので、よほどドコモに強いこだわりが無いのであれば、他社のサブブランドに乗り換えてしまうのも一つの方法でしょう。